NL表記問題の話

※今回の問題の論点上、NL=ノーマル・ラブと読んで下さい。

※まずは最後まで読んで下さい。そして深呼吸してからコメントお願いします

※当方あくまでNL表記は記号や符号としか考えていない側です。

※上記なりに今回の問題を噛み砕いて、解釈しました。

※語尾には全部「と、私は思います。」がついています。

 

 事の発端はアンケ。

NLタグで作品を検索していたところ、BL作品にぶち当たってしまったらしく、

BL作品をNLタグで投稿するのってアリなの?ナシなの?(要約)というアンケから瞬く間に広がっていきました。

 

発端の趣旨は

・棲み分けの観点でNLタグでBL入れるのナシだよね!??!!?!?

っていう確認だと自分は解釈しましたが、そこに入った突っ込みが

「NLは差別用語なのでやめてください(要約)」という突っ込みです。

アンケ主もマシュマロで誹謗中傷とか批判が集まったみたいで、すぐにツイ消し、鍵垢になってしまい、スクショもないため、要約しまくりですが事の発端の流れはこんな感じだったと思います。

アンケ主も当初は「いや、そういう話をしたいわけじゃないので、その議論は別のところでやって」と対応していたみたいですが、前述した通り結構過激なマシュマロが届くようになり、鍵がかかったので追えなくなりました。

 

 そして外野がなんのかんのとNL表記問題に話を広げていき、今に至ります。

ここまでの過程で棲み分け問題については一部の方しか触れていません。

(発端のスクショが手元にないので情報がうろ覚えですが、詳細覚えている人いたらコメント欄で補足下さい)

 また、文脈からして明らかにアンケ主に差別的意図がないのは明らかなので、これ以上批判・誹謗中傷は止めてあげて下さい。

(無意識的な差別だ!って思う人、あとで書くので落ち着いて最後まで読んで下さい)

 

■棲み分けの話とタグ表記は別問題

 そもそも、発端となった彼女は「(従来で言う)NLの中にBL入ってて驚いたんだけど、今はそれが普通なの?棲み分けしてないの?」という疑問でアンケートを取ったことは明らかです。

それに対して、「NL表記を使うなんて差別だ」と指摘するのは明らかに論点がずれています。

その上、「私はBLもノーマルだと思っているから、BL作品もNLタグをつけて投稿する」

というコメントや、「いつまでもNL表記を変えてくれないから、NLタグつけてBL作品投稿することで意思表示をしよう!」というコメントを拝見しましたが、それはマナー違反です。

(従来で言う)NLは異性愛カプ作品につけるタグであり、そこに同性愛作品を突っ込むことはマナー違反以外の何者でもありません。

これは差別の話ではなく、棲み分けの話だからです。

 

■棲み分けは必要なのか

 さて、なぜ今このご時世になってまで異性愛と同性愛をわざわざ分ける必要があるのでしょう。

それは同性愛/異性愛に対して嫌悪感を抱く人たちがいるからです。

もちろん、歴史上の経緯は違えど、好きになる(なった)性別がたまたま同性だった/異性だったという違いだけで、人間であることに違いはありません。

しかし、人間は好き嫌いのある生き物です。

 タバコを例にしてみましょう。

嫌煙家は受動喫煙したくない、愛煙家は時間があれば一服したい。

そんな両者のためにあるのが喫煙スペースであり、喫煙席です。

これが今回で言うタグ表記になります。

嫌煙家がわざわざ喫煙スペースに行って、「私、受動喫煙したくないから全員タバコの火消して!」と叫ぶのは筋が通りません。

嫌煙家や子どものため、そして愛煙家が安心してタバコを楽しむために棲み分けをしています。

創作でも同じことで、同性愛/異性愛に対して嫌悪感を抱く人間が一切0にならない限り、棲み分けは絶対に必要なものなのです。

ここに喫煙スペースがあるよ!って看板があれば、嫌煙家や子どもはわざわざ近づきません。

苦手な人の自衛のため、好きな人が楽しむためにあるのがタグ付けであり、棲み分けです。

NL表記に問題があることと、全くの別問題です。

 

■NL表記の何が問題なのか

 さて、次に疑問に思うのは差別意識ナシにNL表記を使っていた側の人たち」です。

「なんでNL表記が問題になっているの?」という疑問が出ると思います。

ノーマルの意味は「普通」「正常」「異常でない」(出典:wikipedia)という意味であり、ノーマル・ラブ(異性愛)に含まれない=同性愛は差別だ、と感じる人がいる。

ということが問題です。

オタクの棲み分けの理念の一つに「不快に思う人に対して配慮する」という理念がある以上、今回の問題はスルーしていい問題ではありません。

・「そんなの神経質すぎる」

・「そっちで勝手にニュートラルとかノンケとか読めばいいじゃん」

というのは前述した棲み分けの理念に反します。

そして不快に思う人/思っていた人がたくさんいる以上、「昔から使ってたんだし、合理的だからこのままでいいじゃんw」というのはあまりに一方的な意見です。

 

■NL表記反対派のやり方にも疑問を覚える

 とはいえ、NL表記反対派のやり方にも疑問を覚える部分があります。

・いきなり相手を糾弾するような言い回し

・馬鹿、死んでほしい、消えてほしい、などの乱暴な言葉での侮辱

・マシュマロによる誹謗中傷や粘着

・NL表記されたもの全てに主張して回るのではなく何故か一部のユーザーにだけ凸る

・NLの表記問題について表立った正式な活動や宣伝アカウントが見受けられない

 また、NLの表記問題については数年で何度か話題に上ることがありましたが、そのどれもがネガティブな話題でした。(相手を一方的に差別主義者扱いをして糾弾をする、論点ずらしや感情論ばかりで議論が成り立たないなど)

また、NLに代替される新表記(HL表記)は数年前から使われ始めている、ずっと意思表示はしているとの情報をTwitterで拝見したため、その宣伝資料や活動実績などが無いかググりましたがありませんでした。(出てくるのはネット上の議論まとめや炎上まとめばかり)

もしかしたら自分の知らないところでポジティブな宣伝活動をしているのかもしれませんが…検索ワードに引っかからないとみんなに見てもらえないんんじゃないかな…。

その上、みんなに興味を持ってもらえるようにポジティブかつ分かりやすい資料などで宣伝活動しないと、新表記やNL表記の問題点も広がらないと思います………。

努力の跡が見えないのに学級会が勃発した時だけ、「私は何年も前から主張してる」とか言っても誰にも信用してもらえませんよ…。

努力というのは自分のツイッターで呟くだけでなく「拡散させる努力」「閲覧数を伸ばす努力」をしなくてはいけません。

 

■提案されている新表記について

Twitterをざっと見た感じ提案されている表記は以下の通りです。

1.漢字表記(男女カプ(併せてBL、GLも男男カプ、女女カプ)

2.HL(ヘテロ・ラブ)(支部百科事典に記事あります)

3.BG(ボーイズ・ガールズ)(併せてBL=BB、GL=GG)

この3通りが多いかなって感じです。

SL(ストレート・ラブ)という提案もありましたが…これ、ノーマルと同じ問題点につながらない?じゃあ同性愛はストレートじゃないのかって声が上がりそう…。あと鉄オタ界隈のSLと被るからあちらさんに迷惑じゃないかという意見もありました)

Pixiv百科事典の記事があり、移行実績のある漢字表記かHLが最有力な感じがしますが、漢字だと検索ワードがガバガバでめっちゃ引っかかるのと、ヘテロの反対語がホモセクシャルになり、ゲイの方々への蔑称に繋がる点をどう対処するかが鍵なのではないでしょうか。

 

--------↓ここからお気持ち表明↓----------------------------------

(今までも9割お気持ちだったと思いますが)

(乗りかけた船だと思ってお付き合いくださると嬉しい)

 

 

■無知は悪ではない

 これは反対派・肯定派・どっちでもいい派すべてに言えることですが、無知な相手を糾弾する/馬鹿にするのは止めましょうよ…。

「もしご存知でしたら申し訳ありませんが、今、カクカクシカジカこういう経緯でNL表記を少しずつ●●という新表記に移行しようと働きかけているところです。こういう実績がすでに出ている(ソースを添付する)ので、できればご協力いただけると助かります」

「そんな経緯があるんですね。よく分かりました、投稿し直しておくようにします」

こういう普通の会話をしましょうよ…。

そもそも無知は悪ではありませんし、今回問題提起をしている方々は十分にお分かりと思いますが、この問題は日本社会の課題でもあります。日本では差別問題に対する学校教育・家庭内情操教育が十分にされていないのが現状で、一般社会でもまだまだLGBTに対する理解が浸透しているとは言いづらい状況です。それが今まで「当たり前」であり、疑う余地すらないわけです。それを「無意識に差別している」と断じて糾弾・馬鹿にする・批判するのは違うのではないでしょうか。

そもそも、無意識の差別を作り出したのは歴史と社会であり、その産物である当人たちにはなんの罪もありません。そうであることが「普通」だと教わってきたんですから。

その根幹をなんとかしたいのであれば政府に言いましょう。

これからの日本を変えてくれ、と。無意識の差別をなくしてくれ、と。

 

そして今までそんな考えに至らなかった人は、自分がなんとも思わないからみんなもなんとも思わないだろうという考えがいつでも通じるわけではないということを知って下さい。嫌だと言っている人が「何故」嫌なのか聞いてみたり、想像してみたりして一歩立ち止まって考えて見て下さい。

 

■嫌いや苦手は差別ではなく、悪ではない。

 書いてて「あ、これすごい言われそうだな」と思ったのが「同性愛/異性愛が嫌い・苦手な人」という文言。

嫌いや苦手は差別ではなーーーーーーーい!!!!!!!!!!(と私は思う)

嫌いと思うこと、苦手と思うことは人それぞれで個人の自由です。

その思想にまで踏み入って「差別だ!!!」というのは人権侵害です。

同性愛/異性愛が嫌い、苦手だと思う人は無理に好きになる必要はありませんし、

思うだけなら個人の自由です。(口に出していいのかは自分でよーく考えて)

ただし、同性愛/異性愛の人を嫌い、苦手などという理由で仲間外れにしたり、誹謗中傷をしたり、侮辱したらそれはもう差別です。

同じように差別的発言をしていないにも関わらず「差別主義者だ!!」とレッテルを貼って一方的に糾弾することも差別です。

 

 

 

これは経験上思っていることで、なんの学術的なソースもないんですが、日本が差別問題に対する理解が遅いのは単一民族だからだと思います。

同じ島でずーーーーーーーーーーっと何百年も同じ民族だけで暮らしてきて、そもそも国を開いたのだって歴史的に見ればつい最近だし、先進国までのし上がるのは早かったけど、それと人権意識や差別意識がアップデートされるのはイコールじゃないし…。

あと、年齢層にもよりますが、おそらく現時点で成人もしくはそれ以上の年齢の方はこれまでの学校教育の中で「性的指向のマイノリティ/マジョリティ」についてほぼ教育されておらず、そして今の若年層を育てたのはより差別が激しかった時代の人たちである以上、「異性愛=普通、同性愛=普通じゃない」ぐらいの認識しか無いと思うんですよね…。

だからこそNL表記反対派を名乗っている方々には平和に宣伝活動に勤しんでいただきたいなって思います。

 

なにか訂正することあったらコメント欄に追記します。

 

閲覧お疲れさまでした。